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渡邊友月さん

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氏名:渡邊友月さん

卒業年:2018年

勤務先・所属部署:帝人株式会社 樹脂事業本部

大学時代の活動:SRC、交換留学、TA(ワークショップ、BASE、サマースクール、サークル(Tropic Salsa代表、劇団39度)、SEA

【要約】

この夏プラスチックの営業職から、化粧品会社に転職をされる渡邊さん。

私たち在校生に教えてくれたのは、「声に出すこと」の持つ可能性でした。

【現在、どんなお仕事をされていますか?】

 帝人株式会社にて、特殊プラスチックの営業をしています。例えば、皆さんが持っているスマートフォンのカメラは、実はカメラ1つ当たりプラスチックレンズ5~7枚で構成されています。さらに最近ではトリプルカメラも当たり前になってきたので、スマホ(本体)以上に市場の伸びが大きいのが、このプラスチックレンズの市場です。この特殊な用途に向けてプラスチックを販売するのが私のお仕事です。スマホのレンズメーカーはほとんどが台湾・中国メーカーで、日系メーカーは残念ながら1、2社程度しかありません。その為、私のお客さんも中国メーカーがほとんどで、コロナ前は中国出張、現在は中国の現地法人の営業職とタッグを組んで遠隔で営業活動を行っています。

【現在の仕事につくまでの経緯を教えてください。】

 私は全ての就活をオンキャンで行いました。当時は、自分が仕事を通じて何をして、何を成し遂げたいかがわかりませんでした。オンキャンであれば、「APU生が欲しい!」という企業が集まると思ったので、その中から企業を選べばミスマッチが減ると考え、積極的にオンキャンパスでの就活に参加しました。では、なぜ今の会社を選んだのか。もともと仕事とプライベートはきっちり両立したい派だったのですが、帝人の企業理念が「Quality of Lifeの向上」であり、社員のQOLも大切にする会社だと先輩社員から聞いたのが大きな理由です。また、友人やAPUの先輩からいい評判も聞いていたので、内定をいただいた時点ですぐに入社を決めました。

【APU時代にやっておいて良かったことを教えてください。】

 やってみたいと思うことを口に出すことです。心の中になんとなく「やってみたい」と思うことがあっても、なぜか心のストッパーが働き、動けない(動かない)ことがあると思います。でも少し声に出してみることで、意外と道が開けることがAPUでよくわかりました。

 例えば、私は、APSにはない学問である「犯罪学」を学びにアメリカのグランドバレー州立大学へ交換留学に行きました。元々私は、ミステリードラマが好きだったり、日本にも多くの犯罪があるのに、学問として犯罪を学ぶ機会が少ないのか不思議に思ったりしていたことから、「犯罪学」に興味を持っていました。そこで、留学することで犯罪学を学べないかと考え、先輩に「実はAPSにはない分野の犯罪学を学びたいけど、それでも留学行けるのでしょうか…」と相談すると、私と同じ様にAPSの授業にない学問で留学できた人の話を聞くことができました。その後、私も留学先で犯罪学部に入ることができ、帰国し、単位の変換もすべて認められました。他にも、APUに入学するきっかけになったサマキャンにどうしても関わりたいと思い、4回生の春になんとなくそのことをオフィスの人と話していたら、たまたまサマースクールのサポーターの募集を考えていたタイミングだったらしく、卒業前に滑り込みで携わることができました。

 各学年それぞれにいろいろなアドバイスはありますが、全学年共通で言えることは、この「やってみたいことがあれば口に出してみる」ということかなと思います。今皆さんの心の中にある、やってみたいことは何ですか?もし身近に言える人がいなかったら私にでもいいので、ぜひ声に出してみてくださいね。

APU生活や留学が今に繋がっているなと感じることがあれば教えてください。

 まずは、異なるバックグラウンドの人々と協働する力です。皆さんがAPUで幾度となく経験し、苦労し、乗り越えているのが、異文化間コミュニケーションだと思います。これは、単に国籍が違う人たちが集まっている環境で発揮できる能力ではなく、非常にいろいろなところで活かせる能力だと気が付きました。例えば、今の私の職場は、ザ理系企業で、理系の大学院卒や、技術職出身の人、また年齢も50代の男性が多いので、私の常識が常識でないことが多々あります。それでも、異色の私がなんとかやってこられたのは、APUで培った異なるバックグラウンドの人々と協働する力のおかげかなと思います。

【これからのビジョンを教えてください。】

 現在、就活の時には不透明だったキャリアビジョンが少し明確になり、新たな一歩を踏み出そうとしています。今の会社は、企業理念だけで選んでしまい、事業内容まで真剣に見ておらず、私の興味のある消費者と直接関わることのできるBtoC市場とはかけ離れた、企業向けにビジネスを展開するBtoBメーカーでした。私は、BtoBメーカーで働く中で、APUの時からなんとなく頭の中にあった「自分が関わった商品によって、世界と密接に関わりたい」という気持ちに改めて気がつき、この夏からBtoCメーカーである株式会社コーセーに転職することになりました。コーセーは、私が大学生の時にインターンシップのお手伝いをした経験があり、社内にそのことを覚えてくださっていた方がいたことで、今回転職につながりました。転職後、まずは、現職で経験のある、アジア地域を対象にした仕事をする予定ですが、経験を積んだ後社内公募制度を利用して商品企画職にチャレンジしたいなと考えています。化粧品は従来女性のものというイメージが強い商品ですが、最近は性別や年齢関係なく、一個人をきれいにするためのものになりつつあります。まずは、化粧品というジェンダーレス・ボーダーレスになりつつある商品を通じて、一人一人が輝ける様な世の中にしていくことを目標にしています。  そして、もっと先の目標には、子供の成長に携わるおもちゃの開発があります。アメリカでの留学中、犯罪学を学ぶ中で少年犯罪に触れる機会がありました。そこで私は、幼少期の親や、地域の人との繋がりがその後の人生にとって大切であることを学びました。この学びから、子供たちの成長に関わることのできるおもちゃに関わる仕事をしたいという大きな目標ができました。特にもしもおもちゃを開発することになった時には、ダイバーシティーな環境や現代の世の中に必要になってくるであろう、性別に関係なくみんなが使えるおもちゃを作りたいと考えています。

在学生へのメッセージをお願いします。

 SNS等を見ていると、今のAPU生はすごくいろいろな活動をしている人が多いように感じます。周りの頑張りを見て自分も頑張ろうと思える環境であるとも思いますし、逆にそういう人たちをオンライン上で見て、自分と比べてしまい、落ち込んでしまう人もいるかもしれません。私は後者になることも多く、例えば短期的な目標はあっても、将来何をしたいかなどの長期的な目標がなかなか見つけられなかったため、APUに入ってから一貫して将来の夢に向かって頑張っている人を見て、自分はいったい何がしたいんだろう…と悩んでしまうことがありました。私の場合、どれだけ色々なプログラムに参加して、どれだけ自己分析をしても、結局将来やりたいことを明確には見つけられませんでした。でもそれは、ただ単に私がまだやりたいことに気が付けるほどのカードをそろえられていないだけなんだと思います。もし、まだ将来やりたいことが明確にできなくて悩んでいるという人がいたら、それはあなたにやりたいことがないのではなく、やりたいことに気が付けるほどの経験がまだ揃っていないだけなのかもしれません。私の場合、BtoBメーカーで働く、という夢の真反対の経験をしたからこそ、将来の夢に少しずつ気が付き始めています。周りと比べて自分は…と落ち込むこともあるかもしれませんが、その経験すら糧にして、あなたオリジナルのAPU経験を積み重ね、人生のカードを増やしていってくださいね!あなたのこと、地球のどこかから、応援しています。

インタビュー・記事:中島英

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